タイトルにあるこの状態。
一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
例えば、フードを与える時、散歩へ行く前のリードを持った時、来客時、外で犬を見た時、誰かが家に来た時・・・様々ありますがこれが問題となる場合はどれも犬は興奮していることがほとんどですね。
犬が問題を起こしている時はこの『興奮』という部分が絡んでいるケースがとても多いです。
そしてこのような問題で困っているという飼い主さんの大半は、『興奮していてもそのまま先へ進める』ことをしているように思います。
要するに『興奮するのをやめさせたい』と思いながらも『実はそれを認めた扱い方をしている』ということですね。
例えば、
①フードを与える時に興奮して吠える→うるさいと感じながらも与える→食事を得られる
②フードを与える時に興奮して吠える→「ダメ!オスワリ!」などと叱る→興奮しながらも取りあえずオスワリ→食事を得られる
どちらが改善するとして考えた場合正解でしょうか?
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答えはどちらも間違いです。
①は吠えて興奮している間にフードが手に入りますからその行動をより強化しているだけになりますね。
②は一見してちゃんとオスワリをさせているようにも見えますが、興奮した状態は変わりませんから結局は形だけ。<とりあえず座れば良い>という学習をしただけで落ち着くことは学べません。
しかもこの様な声を荒げる接し方は飼い主さんが叱っているつもりでも『余計に興奮をあおっているだけ』だったりすることも珍しくありません。
余談ですが日本という国は非常に秩序のある社会だと海外から言われていますね。電車などで落ち着いて順番を待ち、降りる人を優先してから電車へ乗りこむ、この様子を見た外国人の方からの称賛の声はとても多いようです。日本に住んでいる者からすると当り前だと思うことも実は世界的には一般ではないのですね。
これが逆に秩序がなく我先にとエキサイトした状況だといかがでしょうか?
きっとトラブルが多く治安の面から見てもあまり良いとは言えない状態でしょう。喧騒が苦手な私はこのような状況は非常にストレスです。
少し話がそれましたが、このエキサイトした状況は何かに似ていませんか?
はい。犬の問題と非常に良く似ています。
自分以外どうでも良い!何ぶつかってるんだ!邪魔するな!早くよこせ!・・・これがエキサイトしている人の心の状態ですが、興奮した犬も似たような状態なのです。こんな状況だといつトラブルが起きても不思議はありませんね。
とはいえそう思うこと自体は犬が悪いのではありません。
そもそも犬はそういう動物ですから、自分が欲しいものは得ようとしますし、性格によっては非常に高い執着や攻撃性も見られます。本能的に自分の得た物を守るという行動は自然な行動であって異常な行動ではありません。
(オオカミでも下位のオオカミが上位のオオカミに対して食べ物を守り唸るという行動を起こします。この問題は一般的に良く言われるような単純な上下関係の問題ではありません)
では本能だからあきらめて肯定すれば良いか?というと、もちろんそうではありません。
こういった犬本来の行動や衝動もきちんとルールを教えれば改善と予防ができます。
犬は非常に学習能力が高く、異種との協調性に優れた動物です。
ですから暮らしの中のルールを人間側が手を抜かずに教えればこういった問題を改善または予防することが出来るのです。
この場合大切なのはエキサイトするような状況で『興奮せずに落ち着いていられるか?』です。
犬にそれを教えるのであれば興奮した態度を見せた時点で飼い主さんが犬にしようとしていた作業を中断し、犬を一度落ち着かせる必要があります。
もちろんですがフードを与える時だけではなく他のケースの場合も同様です。
皆さん、口ではダメダメと言いながらも結局は流れでそのまま先へ進めていませんか??
(ダメでしょ!と言いながらも撫でていたり、オヤツをあげていたり、遊んでいたり、足を拭いたり・・・)
【興奮し出したら一旦中断して落ちつかせる】を心に留めて、犬に落ち着くことを教えましょう!
落ち着いた状態でいられるよう何度でも根気よく学習につき合ってあげることが本当の愛情だと思います(^.^)
お互いに熱くならないためにも、人間も落ち着いた態度で接していけると犬との生活がもっと楽しくなりますよ(^O^)
代表 ジョニー