こんにちは、ジョニーです。
(あ。上の写真は愛犬のガーナです。最近モヒカンになったのでグラサンもかけてみました^m^)
私は犬と共に暮らす上で問題を抱えた飼い主さんのために日々指導を行っております。
大抵の場合は無料のご相談にお越しになられた上で、具体的にどう進めていくかを提案しレッスンしています。
その際に感じることが『トレーニングさえすれば全て上手くいく』という風に思われている方が多いということです。
また、トレーナーしか知らない『裏技的な何か』を期待されている方も多いように思います。
実際はそのどちらもありません。(もちろん技術的なコツや、より犬に合わせた効果的な教え方は存在しますが)
そもそもトレーニングは地道にコツコツやっていくもので、魔法ではありません。
むしろ魔法のような一瞬で様々な問題を解決できるような手法があれば私が是非教えて頂きたいものです(笑)
(瞬間的に望ましくない行動を抑えるような方法はインターネットなどで紹介されているように数多くありますが、その多くは決して永続的に効果を期待できるようなものではありません)
そこで変な勘違いをしないためにも『問題解決に取り組む際の考え方』を一つお話ししたいと思います。
《コマンドコントロールと管理をしっかりと分けて考える》
・コマンドコントロール・・・飼い主さんが直接犬と関わり行動をコントロールすること。
・管理・・・物理的な補助や環境の設定を指し飼い主さんが直接関わらなくても問題にならないようにすること。
簡単にいうとこのように分かれます。
では問題に当てはめて考えてみましょう。
例えば仔犬のトイレの問題。
これは家に来てはじめに取りかかるしつけのひとつですね。
単純なステップで考えますと、
①トイレを設置し(自由に出入り出来ないようなサークルやハウスをまずは利用するのがおすすめ)寝起き、食後、運動後に必ず中へ入れ排泄をするまで待ちます。排泄したら褒めて出してやります。
※排泄中にいつも同じ言葉をかけておけばそれがトイレをする合図になります。(1・2・1・2…、シーシー…等)
②中へ入れるとすぐにするようになったら、自由に出入りができるように設定し上記のタイミングに合わせてトイレに行くように促します。排泄できたら褒めてやります。(例えば入り口前までは抱っこして連れて行き、手前でおろしてからトイレを指さすなどし、犬が自分でトイレに入るようにさせる)
③段々と遠くから指さしや声掛けをし、自らトイレに行かせるようにします。排泄できたら褒めてやります。
④言われなくても自らトイレで排泄できたら褒めてやります。
⑤シーツをトイレ以外の場所に敷いてコマンドで指示し排泄できたら褒めてやります。
例えばこの様な手順で教えたとします。
スタートを見るとわかりますように、失敗を避けるために自由に出入り出来ないような環境のトイレを設置し、行動を物理的に管理しています。
スタートが床にトイレシーツを一枚だけ敷いただけの環境だとどうでしょうか?
そこで飼い主さんが必死にトイレでさせようと頑張っても中々思うようにいかないことでしょう。
また、「シーシー」などのコマンドをかけても、犬にとっては「??」何を言っているのか意味が分からないとなるでしょう。
上手く進めていくためにも、何も知らない状態からいきなりコマンドなどでコントロールしようとするのではなく、管理して成功させる方が圧倒的に上手くいきます。
まだトイレでの排泄を知らない2歳位の子供に、いきなり一人でトイレに行き排泄させる。と、イメージしてみれば簡単なことですね。
まだおむつも取れていない子供にトイレを教えるにはまず親が連れて行ってトイレを教えます。
これを繰り返し何度も何度も経験させることで少しずつ覚えていき、いつも使うキーワードのトイレという言葉も次第に覚えていきます。
まさにこれと同じことですね。
よく、トレーニングと聞くと『飼い主が指示をしてそれに対して従わせる』といったイメージを持たれがちです。
ですがまずはじめにすべきは、コマンドコントロールをする前に管理をしっかりと行い失敗させないで成功経験をたくさん積ませることです。
極力失敗を避け理解を深めさせていけば良いのです。
それからは学習させたその行動に対して責任を持たせますから指示に対していつも同じ行動を起こせるようにレベルを上げていくのです。(フード等を使用しなくても出来るようにする)
また、望む行動や状況によってはコマンドコントロールよりも管理の方が重要な場合があります。
例えば留守番や公共の場へ連れて行く時などは管理が最重要となります。
留守番中に飼い主さんは犬に関わることは出来ませんから問題を起こすのであればハウスなどが必要でしょう。
飼い主はどう過ごすことを望んでいるかを教えることは出来ませんが問題行動は起こさせずにすみます。
また公共の場であればコマンドコントロールができたとしてもリードは必ず付ける必要があります。
例えコマンドで飼い主の横をちゃんと歩けるからといっても絶対の保障はありません。
(大好きな犬にたまたま出合ったら?猫が突然前を横切ったら?…)
また事故やトラブルが起こらないためにも確実に行動を管理する必要があります。
(この場合はただリードを付けているというだけではなく、周りに配慮したハンドリングがあってこその管理ですね)
(フレキシブルリードなどの伸び縮みするようなものは使用する場所を選び、安全かつ周囲に迷惑をかけないように使いましょう。)
という訳でトレーニングと一言にいっても、コマンドでコントロールすることが全てではなく、むしろ上手く管理し失敗を経験させないという考え方を土台にトレーニングを進めていった方が確実に上手くいきます。
『犬にいきなり知らないことをさせようとしていませんか???』
『わざわざ失敗がかならず起こるような環境で問題を解決しようとしていませんか???』
『不測の事態や周囲への配慮を忘れていませんか???』
今すでに何かに取り組まれている方は今一度、コントロールしようとしている環境やしつけのアプローチを見直してみても良いかもしれませんね。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました<m(__)m>
ジョニー
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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