前回に引き続き問題の根源を考えるがテーマです。
今回はさらにもう少し、『接し方』という部分に着目して考えてみたいと思います。
それは飼い主さんが意図している・いないに関わらず原因となるものです。
その原因とは、
①経験して学習した行動
②飼い主と犬との関係
です。
①経験して学習した行動
犬も人間同様いろいろなことを経験しながら学習していく動物です。例えば何気なくゴミ箱にパンの袋を捨てたとしましょう。犬からするとゴミ箱からは興味をそそる香りが漂っており覗き込んで調べてみたくなります。匂いだけでは満足できず、中のものを探そうとゴミ箱をひっくり返します。なんということでしょう。美味しそうなパンが少しだけこびりついたビニール袋がありました。やったね!・・・以降、ゴミ箱あさりが毎日の日課となりました。
この様に経験し得をするとその行動は増加します。これが経験学習です。
飼い主さんとの接し方で例を上げると、帰宅時に興奮しておしっこを漏らす犬の場合は大抵が飼い主さんの盛り上げる行為が原因です。
帰宅すると、犬をもみくちゃにして興奮させるような事を繰り返していたとしましょう。次第に帰宅時=興奮する、となり犬の性格によってはおしっこを漏らすことを繰り返すようになります。これも経験させて学習させてしまった例ですね。このように偶然の場合や意識せずにしていた接し方などで様々な問題が起こる原因となります。
②飼い主と犬との関係
犬とは人間と一緒に暮らす上で、その家族の中で個々に関係を築くと言われています。家族間で犬の振舞いに違いを感じられたことがありませんか?
ご主人さんであれば良く言う事を聞くのに奥さんの言う事は聞かないといったような話です。これは特に珍しい話ではありません。
昔言われていたような群れの中での序列(1位2位3位・・・)といった階級とは少し違い、ご主人と犬の関係、奥さんと犬の関係、お子さんと犬の関係、というような感じでイメージして下さい。
特にお子さんに対しては犬の方が優位に立つことは良くあります。例えば飛びついたとして小さなお子さんであればよろけたり、キャーキャーと逃げ回ったり、こういった態度や動きは大人のリアクションとは異なります。(大人もこのように振舞ってしまう場合もありますが)ですから大人と子供という違いだけでも犬の起こす行動に違いがあることもあります。
じゃあ強引に力で抑えつければ常に優位に立つことができるのか?というと決してそういったものでもありません。状況を適切にコントロールし上手く接していくことが重要です。
このように接し方や生活環境の問題でトラブルへと発展していくケースは多くあります。
なぜそれをするようになったのか?が分かり、その原因を取り除くことができれば基本的に問題は改善できます。
取り除けない場合は、違う行動を学習させる、その行動に対して犬にとって得になる結果を与えない、物理的にできなくしてしまう、など違う形でのアプローチも色々考えます。
関係に問題がある場合は日常での接し方や暮らし方を変えていくことが必要です。どのような接し方や飼い方に問題があるかをきちんと調べなくてはなりません。
ちなみにというか当り前のことなのですが、リーダーシップさえ取れれば全ての問題が解決できるという訳ではありません。
犬自体の問題(年齢、性別、犬種、性格、健康状態、その他諸々…)も踏まえた上で様々な原因を見つけ出していくことが大切です。
ということで問題の根源を考える~その2~、いかがでしたでしょうか。
誰かに聞いた話やインターネット検索などの表面的な情報にとらわれずに、ご自分の犬のことを今一度自身で整理して考えてみてはいかがでしょう。
これが問題解決の何らかの助けになれば幸いです(^.^)
代表 ジョニー
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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