こんにちはFeelFunの黒木です。
梅雨に入りすっかり蒸し暑くなってきましたね・・・。
湿度が高いと水分が気化しづらくなり体温調整がうまくいかず
人犬共に熱中症のリスクが高まります。
曇り空であっても屋外での活動は十分気をつけましょうね。
さて、このところ新たに仔犬を迎えられる飼い主さんが増えており
FeelFunへも、お問い合わせを数多くいただいております。
※FeelFunでも仔犬の社会化トレーニングに力を入れて取り組んでいるのですが
頭数の限界もあり現在新規の受け入れを一時中止しております…。
そこで少しでも新たに迎えられた飼い主さんへのヒントになればと思い、
今回はしつけの基本、【管理】をテーマにお話しさせていただきます。
こと仔犬の相談で多いものと言えば、要求吠え、じゃれ咬み、家具などの破壊行動、
トイレの失敗、怖がり・・・このような相談が圧倒的に多いように思います。
これらそれぞれの問題に取りかかる際、一つの鍵になってくるのが
『物理的な行動の管理』です。
例えば、クレートやサークル、ゲートやリードなどで行動範囲を限定することや、
一時的に行動を制限する、これが物理的な行動の管理です。
今回は特にサークルやクレート、ハウスでの管理について、
その理由や活用法を解説します。
まず、大大大前提として、犬は経験をしたことを学習します。
意外と分かっているようで分かっていなかったりしますので
しーっかりと頭の中で反復してから読み進めてくださいね。
例えば、あなたの愛犬が仔犬でじゃれ咬みがひどいとしましょう。
さらにずっとフリーで過ごさせているとしますね。
そうすると愛犬は退屈になればあなたとのコミュニケーションを求め
手や足や衣服などに咬みつき遊ぼうとします。
それはあなたが忙しくしていて手が離せないときであっても関係なく起こります。
あなたがいくら「痛い!」「ダメ!」と声を荒げてみても
中々やめないこともあるでしょう。
むしろ、より一層興奮しじゃれつくかもしれません。
しかしあなたにはあなたのやるべきことがあるために
その状況が長く続いてしまいます。
そうやって過ごす経験を多く積ませることで愛犬はあなたを咬んで
楽しむことを日々学んでいくのです。
では次に、あなたが愛犬との時間を共有するときに、
以下のようにした場合はどうでしょうか。
一緒におもちゃを使って遊んだり・・・
フードを使って苦手なことに慣らす練習をしてみたり・・・
外へお散歩へ出かけたり・・・
このように過ごす時間はじゃれて咬まれる機会はかなり少なくなるはずです。
そして愛犬はじゃれて咬みつかずにあなたと共に時間を楽しむことができます。
ある程度遊び疲れてくれれば、その後の家でのフリータイムは
比較的穏やかなものになります。
残念なことに、私たちの言葉で仔犬をいくら説き伏せようとしても理解はできません。
物を嚙んだり、仔犬同士で互いに咬みあったりしながら遊んだり、
といった行動は仔犬がやりたがる行動の一つです。
ですから仔犬のうちは早々なくなりません。
(そんなものなんだと割り切ることも必要です)
だからこそ飼い主と犬とが互いに楽しむためにはどのようにすれば良いのか、
失敗をうまく避けながら愛犬に経験させていくことがポイントになるのです。
手足や衣服を咬まれながら遊ぶというのは基本的にあなたにとって望ましくない行動ですよね。
反対におもちゃ遊びやお散歩はあなたにとって問題となる行動ではありませんよね。
であれば、あなたが時間に余裕がなく、愛犬に望む遊び方を教えてあげられないときは
どうすると上手くいくでしょうか?
そうです、あなたのご想像通りここで物理的な管理が役に立つのです。
【やれないときは失敗を経験させないように可能な限り避けること】
わざわざ失敗をすることが分かっているのに、気安く目を離したり
なんとなく放置してしまうのは愛犬に望ましくない経験をさせてしまう
きっかけになりかねません。
だからこそ、
「ごめん今ちょっと手が離せないから少しの間入っててね」
という行動の管理が重要になります。
そうすれば、あなたにとって望ましい行動ばかりを
愛犬に経験させることができます。
愛犬は飼い主との付き合い方を色々学び、飼い主にとって望ましい
行動のレパートリーも増えていきます。
飼い主のそばでリラックスして休むことも経験させやすくなります。
これらが繰り返されることよって、あなたにとって望ましい行動を
愛犬が起こす確率がどんどん上がっていくのです。
さてここまでは利用する目的と理由についてお話ししました。
じゃあさっそく活用しよう!と取り組んでみたものの、吠えたり暴れたりと
なかなか上手くいかない…なんてことも起こるかもしれません。
その場合は管理されることそのものに愛犬を慣らしてあげる必要があります。
管理に慣らすポイントは3つです。
ハウスに薄いタオルを上からかけたり、向き、設置する場所を調整したりして
あなたのことを常に気にかけ、目でずっと追い続ける必要がない環境にしてあげましょう。
一人での時間を退屈しないよう愛犬のサイズに合わせた噛んで遊ぶようなおもちゃや
ガム類、フードを中に入れることができるおもちゃ、こういったものを与えましょう。
(誤飲誤食のないよう初めは様子を見ながら使用しましょう。)
まだ慣れていない仔犬を元気いっぱいな状態で管理する、というのは中で暴れなさい
と言っているようなもの。
あらかじめ遊ばせたり、散歩へ行ったりして管理中に落ち着いて休めるよう
手伝ってあげましょう。
ハウスから出してあげるタイミングは愛犬が静かに過ごせているときです。
吠えたり暴れたりしているときに、あなたが近づき、自由を得られる、といった
経験をするのも望まない学習につながりますからご注意を。
ハウスやクレートなどで管理されることを愛犬が慣れてくれていると
様々な場面で役立ちます。
先に述べた、「ごめん今ちょっと手が離せないから少しの間入っててね」
という場面ではもちろん、安全な移動(車、カート…)にも役立ちますし、
万が一の愛犬の入院やペットホテル、過度な興奮を鎮める際や、
愛犬が恐怖や不安を感じているときの逃げ場所(雷、豪雨…)、
災害時の避難、など様々な状況下でのリスク、ストレスの軽減にもつながります。
時々、ハウスやクレートに “罰” として犬を入れる方がいます。
(暴れるから、じゃれ咬みをするから、絨毯を噛むから…)
しかし、なぜ飼い主が急に不機嫌になり自分を閉じ込めるのか?
という明確な理由は実は愛犬には理解しがたいものなのです。
ですからしばらくしてまた部屋に出したとき、
「あっ!またやってるーっ!!」
なんていうことありますよね。
このような場合の物理的な行動の管理の目的は、
『望ましくない行動を一時的に中断させること』
です。
管理というのは、
閉じ込めて罰することが目的で行うものではありませんし、
閉じ込めたところでそもそも犬はそれで間違いを学ぶことはできません。
そんなことをしても飼い主につかまると閉じ込められるという学習をし、
今後つかまらないように逃げ回るようになるだけです。
その点を間違えないようにしましょう。
また、
「閉じ込めるのは可哀そうだからそういうものは使用したくありません」
とおっしゃられる飼い主さんもいます。
おっしゃりたい気持ちは分かりますが、どのような物理的な行動の管理でも
あくまでも、必要な時期(時)に、必要な分だけ使用するものです。
むしろ幼少期から管理をしないために、問題となる行動が数多く起きてしまい、
今後互いにストレスを感じながら生活をしていく…このような結果を招く
ことの方がよほど可哀そうだと私は思います。
ちなみに、慣らして活用しましょう!こう述べている私の愛犬たちは
普段家ではフリーで過ごしています。
(夜間、留守番時も基本的にずっとフリーです)
では仔犬の時期はどうだったでしょうか?
もちろん良くない経験をさせないようにさまざまな管理をし、
望ましい行動を教えながら生活を送りました。
だからこそ今現在、私の愛犬たちは自由を多く得られ、
互いに選択肢の多い毎日を過ごすことができています。
(もちろん日常的に使用していない今であっても
必要があって使用すれば中で静かに休みます)
このように物理的に行動を管理するというのは、
『あくまでも必要に応じて部分的に活用するもの』
だという認識をぜひ持っていただきたいです。
〇管理を活用することで望ましい行動を多く経験させ、
望ましくない行動は極力経験させないこと。
〇管理がうまくできないときは根気よく慣らすこと。
〇管理は罰して間違いを犬に教えるものではない。
成功を数多く経験させるためのツールとして活用すること。
〇管理とは閉じ込めて飼うために使うものではない。
将来愛犬との生活に自由と選択肢を増やすために活用するもの。
PS:
トイレトレーニングでも失敗を避けるために行動の管理を行うことで
より円滑に進めていきやすくなります。
幼少期のトイレの失敗は基本的に犬の責任ではなく、人が安易に目を離す、
管理不足、失敗しやすい生活環境、トレーニング不足、が主として挙げられます。
犬に何かを求める前にまず、今の生活環境で失敗をさせてしまう要因は
一体どんなものがあるだろうか?
と、一歩下がって考えてみると意外な問題点に気が付きますよ。
PPS:
初回の無料ご相談は現在も受け付けています。
お一人お一人に合わせたお悩みごとについてのアドバイスも
行っていますのでお気軽にお問い合わせくださいね。
FeelFun
黒木
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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