いつも様々な犬達と出会うこの仕事。
うちの子は吠えます、引っ張ります、噛みます、飛びつきます…など三者三様。
それぞれの問題と向き合う際、現場へ行くとオーナーと犬との関係が良く見えてきます。大抵の犬達は人に対して意識(この場合はオーナーに対して)がありません。そしてひどい興奮状態。すなわち制御不能の状態となるために散歩中引っ張る、吠えるなどの問題となるのです。
散歩で言えば常に周りに注意を向け、ひたすら目標に向かってグイグイと進み、視界に動くものが(犬・猫・人・自転車…)入ると吠えたり飛びかかったり…。
例えるなら対戦ゲームに熱中しすぎて、話しかけても上の空、どんどんヒートアップ!状態…的な訳です。
このような問題に対処する際、必要なのが落ち着き、意識を人に向ける事。特に実際にリードを持っているオーナーに対して意識がある状態を作る事、これが非常に重要なのです。
但し、散歩中にずっと人を見続けて歩くなんて事は不自然極まりないですし、犬自身の判断を阻害してしまいます。
必要なのは自然と意識を向けている事です。
例えば、手におやつを持って歩き犬の集中をずっと手に向けさせて歩く指導法もありますが、散歩のしつけにおいて私はこれに否定的です。
広い意味で人に対する意識とは言えるでしょうけれど、散歩のしつけと考えた場合、それは果たして散歩なのか?という疑問が湧きますよね。
また、リードをピンピンに短く持って固定して歩いたり、引っ張れない道具を使って引けなくしたりというのも疑問です。
決して道具を否定するわけではありませんがあくまでも補助であってそれを用いて強制し形だけ犬に取らせる事が問題なのです。(引っ張らないのではなく引っ張れないでは全く意味が違います。)
形にばかりこだわってしまうと本質を見失います。大切なのは自然と意識を向けられる犬にしつける事ですから、おやつや道具で見た目だけを取りつくろっても無意味ですし当然結果には結び付きません。
何かを犬に強引にやらせても結果が出ない理由は結局そこに犬自身の『意思』がないからです。
自然な人に対する意識とは、人が歩くと歩く、人が止まると止まる、指示があれば適切に反応する、といった事なのです。
そう出来るようにしつけた犬は、おやつを手に持たなくても時折オーナーを見て、進む方向を確認しながら上手に歩けるようになるのです。
もちろん散歩以外のシチュエーションでもオーナーにおやつやおもちゃを持たせて顔を見させるようなしつけ方もあります。
これも不自然なアイコンタクトで犬自身が自分の意思でオーナーに注意を向けた訳ではありません。ただ、手の中のおやつやおもちゃ欲しさでそれを見ているだけなのです
。
自然なアイコンタクトを教える事、これがオーナーとの関係作りの第一歩ではないでしょうか。
Feel Funでは、『形ではなく内面の部分に変化をもたらす事が本当のしつけ』だと確信し指導しています。
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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