前回はより分かり易くする為に、人間に置き換えて考えてみました。
今回は犬に話を戻して、今一度考えてみましょう。
誰かにやってもらう、これだけでは良い結果に繋がらないという事は皆さんご理解頂いたかと思います。すなわち結論から言うと、親であるオーナーと子である犬との関係は自分自身で作っていくしかない、という事です。
そして関係を作るためには、犬が理解できるように何度も教え、一貫した態度で守らせていく、訳ですが非常に残念な事に犬は人間の言葉(文章)が解りません…。
「人が来た時に吠えたり噛みついたりしたらダメなのよ○○ちゃん」で伝われば、そもそも私たちの様な職業はこの世に存在しませんしね。
ようするに言葉で理由を説明しても伝わらないという事です。(学習すれば単語は覚えますけど。)
解り易く言うと、『ウルルン○○記に出てくるような○○族』に『通訳なし』で食料も何も持たず一緒に仲良く生活し、接する事が出来ますか?って話です。
私は無理です。というか嫌です。(笑)
そもそも言語も習慣も文化も何もかもが違いますから。やってはいけない事を知らない内にやってしまって、怒らせなんかしたらメチャ怖そうですし…。
もちろんチャレンジ精神に溢れていて好奇心が強い人は楽しめるのかも知れませんが…。
生きていく為には彼らを頼るしかないので常に主導権を託し、言われる通りに過ごすしかないです。(狩りの仕方とか知りませんしね。)
この時に側にいる人が安心できる人だと感じれば信頼し徐々に心を許すでしょうし、逆に側にいる人が乱暴でいつも危険な所へ無理やり連れて行くようではいつまでも不信感を抱き距離を置こうとするでしょう。
この安心と危険の感じ方はその人の個性で変わるので、私が安心でも別の人からすれば不安という状況も当然起こりうる訳で。
簡単にいうとこれが犬と人との位置関係であり、またそれぞれの持つ個性なのです。
だからこそ、個性に合わせて、少しずつ良い関係を築いていく、これこそが犬を飼う全ての人間の責任という訳なのです。
我々が暮らすこの人間社会はそもそも犬にとって、理解不能であり危険であり理不尽極まりないはずです。(犬が本来持つ文化や習慣で考えた場合)
けれどもそこで暮らす事を余儀なくされたのですから、お互いにストレスの少ない生活を送れるよう、ルールを教えたり、マナーを守らせたり、安全な住環境を与えたり、適切な食事や健康管理などを充実させる必要があるのです。
そして、こういった事の全てを考えられるオーナーこそが、犬との本当に良い共生関係を作る事が出来るのです。
ちなみに、訓練(お勉強)はプロに任せて行う事で早く確実に行動を覚えられる内容のものもあります。
しかし、自分と犬とが楽しむ為に何かを教えたい、スポーツをやってみたい、このように考えるならこれも自分で行わないと出来ません。
誰かに教えてもらった行動の結果だけ見せられて「スゴイでしょ!」って言われても、どうすればそれが出来るのか、が分からないのでは自分で楽しめませんから。
やっているのを見ているだけで良いんです、と思う方は別ですが…。
という訳で、こういった考えを持って活動しているからこそ、徹底した『オーナー指導』をコンセプトにFeel Funは掲げているという訳なのです。
私の指導は、『私が犬を変える為』ではなく、『オーナーが犬との関係を変える為』に行っています。
当たり前のようで良く解っていない事。
でもとっても大事な核となる部分ですよね~。
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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