今回はさらに、よくあるリーダーになる為の情報、について少し検証してみましょう。
しつけに関してのインターネットや本などを見ていると、良く目にする、リーダーになるための必要事項。
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…などなどいっぱいありますね。
ちなみに、オオカミの群れでは、常にアルファから先には食べません。そしてトップドッグも他の犬と一緒に寝たりします。さらに群れのリーダーはいつも先頭に居ていません。
例えば、人間が先に出るルールにこだわっている方で、まるで玄関先で競争かのように犬とデッドヒートを繰り広げている方を見た事があります。
ゴリ押しで先に出た事で、「さすがリーダー、早いッスね~!」と犬から尊敬が得られたのでしょうか(;一_一)?
という風に一つ一つの定説を色々調べた上で考えると、実はつじつまの合わないおかしな事がいっぱいあります。
昔からそう言われているから、という定説には必ず、本当かどうか、その根拠を調べるべきであり、また犬に当てはめて考えてみる、必要があります。
以前は正しいと言われていた根拠も、時代と共に新しい研究や情報により実は間違っていたという事もザラにあるのです。
しかし根拠は違っていても、これらのやり方に問題があるというよりは、解釈を変えるべきだと私は思います。
人が先にご飯を食べなければいけない→改め→要求している時には与えない。準備の間、行儀よく待つ。
一緒に寝てはいけない→改め→一緒に寝ていても必要に応じて犬のコントロールが出来る事。&普段からベッドやソファーを人間にゆずれる事。
出入りは人間が先→改め→落ち着いた精神状態で、指示があってからドアから出る事。…などなど。
妙に過激で過剰なリーダーシップ論をそのまま鵜呑みにせず、その根拠と実生活での意味をきちんと整理して考え、また行動に移さなければ本当の良きリーダーにはなれません。
散歩で引っ張らないで歩けるように犬に求めるのも、犬を人間社会で問題を起こさせないよう上手にリードするためであり、決してリーダーは常に先に歩くからという理由ではありません。
こういったルールを教える事ができ、尚且つそのルールを犬に対してきちんとコントロールする事ができるのであれば、人間と犬は上手くやっていけるはずです。
人が犬をリードするというのはこういう事です。
そしてこれを自然とやってのける事が出来る人をリーダーと呼ぶ訳ですね。
犬がボスになりたがっている→改め→犬にルールを教えていない、人間が普段の生活の中でリーダーとして振舞えていない。
これだと納得できます。
ここで注意しなければならないのは、リーダーとは公平、かつ一貫した態度で、犬に合った適切な方法で、犬を上手に引っ張っていける人、でなければならないということ。
そのためにはまず人が落ち着いていて、冷静に状況を判断し、適切な指示を出す必要があります。
肝心のリーダーが感情的になったり不安定であったりした場合、犬も同じく感情的になり不安定になりますから、犬と接する上でとても大切な部分です。
分かりやすく言うと、『しつけるために叱る事』と『腹を立てて怒りをぶつける事』とでは意味がまったく違うということ。
職場の上司がヒステリックで暴力的な人だと、一緒に仕事をしたくもなければ、なるべく関わりたくないと思うのは自然な感情ですよね。
ですからリーダーになる為には、気合い入れて腹から声出せー!ってなものではありません。
当然、力ずくや恐怖に従わせるようなものでもありません。
そんな事をしたら、後で手痛いしっぺ返しが待っていますのでご注意を・・・。
もう一度リーダーシップという言葉の意味を考えてみると、どう振舞うべきか?という答えが見えてくるはずです。
さて、日常生活で本当のリーダーとして振舞えているでしょうか?また適切なルールを作っているでしょうか?
どうもうまくいかないと思われている方はここをもう一度考え直す事で、犬との生活がきっと変わるはずです。
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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