こんにちはジョニーです。
今回はタイトルの通り “リーダーシップ” について。
「犬にはリーダーシップは絶対に必要だ!」
「リーダーにならないとダメだ!」
こういうワードを皆さんどこかで必ずと言っていいくらい
耳にしたことがありますよね?
私自身もこの場面は飼い主さんがリーダーシップを取りましょう、
と飼い主さんにお話しすることもあります。
でも皆さん、そもそもリーダーシップをきちんと説明できますか?
と聞かれるといかがでしょうか。
こんなにもたくさん聞いている言葉なのにいざ説明を求められると
「うーん・・・」となりますよね。
まぁ分かりやすく説明している人が少ないのもその原因の一つ。
そのせいで誤った接し方や考えにいたってしまうこともあります。
ですからそうなってしまわないためにも、
“解っているようで意外と解っていないリーダーシップ”
について今回は要点を解りやすくお話しますね。
まずはその言葉の意味することから考えてみましょう。
リーダーシップを犬との生活という視点から見てみると
『必要な時に主導権をもてること』となります。
主導権を持つとは
“その物事について中心となること”
を意味します。
要するに人間が犬に対して中心となって犬の行動をコントロール
することができるということですね。
では具体的に主導権をもつこととはどういうことでしょうか?
少し一緒に考えてみましょう。
例えば、愛犬を連れて町の中を歩くとしましょう。
町の中ですから人間や犬、バイクや車・・・といった様々な
ものとすれ違うこととなります。
その際、あなたの愛犬が周囲の人に対して迷惑のかかる行動や
愛犬自身が危険にさらされる行為だと判断されるような行動を取れば
当然それはあなたの責任となりますよね。
そうならないためには町の中では人間が散歩の中心である必要があります。
となると、
『人混みを歩く時は人間が主導で歩くよう心掛けなければならない』
という結論になります。
この場合、主にリーダーシップを持っているのは(必要性も含めて)
飼い主であるということになります。
では次は田舎の山へ遊びに行ったとしましょう。
ロングリードを付けた愛犬はあなたと山登りを楽しんでいます。
その時の愛犬の動きはどうでしょうか。
あなたよりも相当前を歩くかもしれませんし、右へ左へと匂いを嗅ぎながら
自由に行動するかもしれません。
ときには愛犬の行きたがる方へあなたは付いて行くこともあるでしょう。
と、このように想像をすれば分かる通りこのような場面では
基本的に主導権は愛犬の元にあるはずです。
(危険な場合を除いてその必要性がない限りはですが)
この場合、飼い主はリーダーシップを発揮しておらず
その状況で主にリーダーシップを持っているのは愛犬となるでしょう。
このように、
“リーダーシップとは時と場合によって持つ側が変化する”
ものなのです。
リーダーシップと言う言葉を使うと
“常に飼い主は犬に対して主導権を持ち、リーダーとしての威厳を持って
犬と暮らしていなければならない”
というような感覚に陥る方がいます。
しかし先ほどの例を見ての通り、主導権というのは時と場合によって
飼い主が持ったり愛犬に譲ったりと変わるものなのです。
ですから【常に必要】ではなく、【必要な時に発揮】することが
犬との暮らしにおいて必要なことのです。
世の中には犬に対するリーダーシップをどうも歪曲して伝えている人や、
曖昧な理解や偏った価値観でこの言葉を使用している人が多くいます。
そのせいで、
『いうことを聞かないのは飼い主が犬にナメられているからだ』
といった偏った理由と根拠で問題の原因を決めつけてしまうのです。
それを問題の原因だ!と言われた飼い主さんはどうなるでしょうか?
必死に大声で犬を怒鳴りつけ → 時には手を上げ →
→ それでも行動は変化しない → 私がナメられているからだ
→ もっと厳しくしなければ・・・
という負の連鎖に落ちていくのです。
この場合の上手くいかない理由は明確です。
そもそも【目的】を間違えているからです。
先ほどの例を見ての通り、
リーダーシップを発揮する =犬に ナメられないようになるため
ではないからです。
ですから “リーダーシップ” と “ナメられる” を一緒にしてはいけないですし、
問題行動の全ての原因のように結論づけるべきではないのです。
ごく当たり前のことですが判断の基準として挙げておきますね。
①自分の日常生活において困る行動の場合
②愛犬を危険にさらしてしまう行動の場合
③あなたの暮らす地域・社会に迷惑となる行動の場合
基本的にこの三つです。
上の基準に当てはまる場面においては飼い主がリーダーシップを
発揮する必要があるでしょう。
(もちろん円滑にリーダーシップを発揮するためには、そのためのトレーニングが
欠かせないことは言うまでもありません)
そして上手くできない理由をリーダーシップだけで片づけてはいけません。
(そもそも、飼い主が愛犬にやり方も教えずにどうして飼い主の求める行動を
愛犬に起こせることができるでしょうか?)
こんな風に一つの言葉でも深堀りして考えることで、
自分の考え方ややり方に矛盾があることに気がつくことがあります。
ですからまずはリーダーシップそのものの意味を正しく理解し
定義してみてください。
その上であなたにとって必要な場面で必要なリーダーシップを発揮できるよう
愛犬と共にトレーニングを行うのです。
さて、一息ついてまとめましょう。
あなたは愛犬にいつリーダーシップを発揮しなければならないですか?
そして愛犬にどのような行動をあなたが教えればリーダーシップを発揮できそうですか?
平素起こりうる生活上の問題を思い返しながら
一度じっくり考えてみてください。
問題改善の何らかのヒントになれば幸いです。
代表 ジョニー
ドッグトレーニング専門施設「フィールファン」代表 ドッグトレーナー。
犬の内面や行動などを理解し心理的な部分からの問題の改善、飼い主さまと愛犬とのあいだに良き信頼関係を築くことに強いこだわりを持つ。
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