さて今回で3回目となりました『人と犬との心のつながり』シリーズもこれで最後です。
これまでは、
<犬の認知能力>について、
そして<人と犬とが築くことができる絆>について
お話ししました。
最後となる今回は、オキシトシンという脳内物質と絆形成の関係について。
オキシトシンを簡単に説明しますと、『幸せホルモン』などと言われる物質で、
放出されることで “幸福感” ”信頼感の増幅” “ストレスの減少” などの効果があると言われています。
例えば羊などは出産後1時間が絆形成における重要な時間のようで、
産後1時間の間で親羊が子羊と接しオキシトシンが分泌されなければ授乳を拒否することもあるようです。
この点からもオキシトシンが絆を形成するためには重要であるということが分かります。
さてセミナー内で紹介されていたいくつかの実験の中で、
飼い主と交流した後の尿中に含まれるオキシトシンの分泌量を調べるというものがありました。
部屋の中に飼い主と犬が入り、コミュニケーションを取りながら一緒に30分間過ごした後に計測します。
そうすると犬のオキシトシンの分泌量が上昇しているという結果が。
さらには飼い主のオキシトシンの分泌量も上昇していました。
いったい何が起きているのか?
コミュニケーションを取りオキシトシンが上昇した犬は飼い主に対してより多く視線を送るようになります。
↓↓↓↓↓
そして犬に見つめられ、目と目を合わせることで飼い主もオキシトシンが上昇します。
↓↓↓↓↓
幸福感を感じてまた犬とコミュニケーションを取ります。
↓↓↓↓↓
そうするとまた犬の方もオキシトシンの分泌量が上昇して・・・
というポジティブループとなるわけです。
これが 『絆の形成に重要である』 というのが今回のお話し。
野生動物であれば異種間でこのような関係を築くことはまずありえません。
(利害の一致からくる共生や住み分けと絆を作ることは異なりますからね)
じゃあオオカミはどうなの??
犬の比較対象としてよく出てくるオオカミはどうなのかという疑問が湧きますよね。
もちろんそこもきちんと検証されておられました。
一般家庭で人に飼われているオオカミを対象に同じ実験を行った結果はというと・・・
なんとオキシトシンの分泌量に変化は見られませんでした。(飼い主とオオカミどちらも)
実験の映像を見る限りではオオカミも服従的で飼い主と良い関係には見えましたが
大きな違いがありました。
それは“飼い主と目(視線)が合わない”という点。
やはり野生動物ですね。
オオカミとの比較という点から見ても、人間とコンタクトを取ることで絆を築くことができるのは
犬特有のものだと考えられるのでしょう。
(もしかすると飼われているオオカミの場合は犬とは違うコミュニケーションの取り方で
飼い主と絆を形成できるのかもしれませんね)
きっと最初は食べるものを得ることが人間に近づくきっかけとなり、
人間も狩猟に利用したというのが歴史の始まりなのでしょう。
そこからさらに異種間コンタクトが進み、
より感情的にも相互依存が強まった結果 “深い絆” を形成するまでに至ったという所でしょうか。
ということで
“犬は人間とコンタクトを取ることで幸福感を感じることができる”
“人間も犬とのコンタクトで幸福感を感じることができる”
というお話しでした。
現代人が犬を飼いたいと思う感情はそういった所からも湧き出てくるものなのかもしれませんね。
お互いにとって有意義な時間を少しでも多く過ごせるように暮らしていきたいと
改めて感じた今日この頃です(^.^)
PS:
犬と絆が築かれるということは双方にとって良い結果が得られるというまさにWin-Winの関係ですね。
人間同士だって絆を深めるには多くの時間や努力、気遣いが必要で相手にばかり求めても絆が深まらない。
だから犬にもこちらの都合ばかりを一方的に求めてはならないと再度考えるきっかけとなりました。
犬と絆を感じられ幸せな気持ちになれることを相手にも感謝しつつ、
一緒に過ごす限られた時間をお互いにとって幸せなものにしていきたいですね(^_-)
代表ジョニー

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