《犬との勝負には必ず勝ちましょう!!》
こんな言葉をしつけの情報から耳にしたことがあるという方は結構多いはずです。
良く挙げられる例で言えばおもちゃ遊びがあります。
『ロープで引っ張り遊びをする時は必ず最後に人間が勝たねばならない』
といった話です。
その根拠として挙げられているのが “負けると犬からなめられる” から。
ですがこの話は後に異論が唱えられ、実際には勝とうと負けようと
その後の行動には特に変化がないという結論が出ました。
しかし、常に犬に力で負けてばかりで果たして犬との関係は大丈夫なのだろうか?
と感じられるかもしれませんね。
では『犬に勝つ』という言葉の真意とは一体どういったことなのでしょうか?
【力勝負だけで上位には立てない!?】
単純な腕力だけでは上手くはいかないという経験は力による上下付けを意識して
犬と接したことがある方なら少なからずあるはずです。
(特に男性の方)
目いっぱいの力でリードを短く持ち犬を制御しながらの散歩などもその一つでしょう。
しかし大抵の場合は力でいくら行動を抑えても良い結果にはつながりません。
なぜならいくら力を用いて行動を抑えつけても、
そもそも《犬とコミュニケーションをとることが出来ていない》からです。
落ち着かせる間を取ることや、行動を変えるきっかけを意識したハンドリングが出来なければ
犬に飼い主ののぞむ行動を経験させ学習させられません。
(褒めるタイミング、道具の適切な使い方など)
大切なのは 『犬がどう感じていて何を学ぶのか』
を人間が意識して接することなのです。
【単純な力で犬に劣っていても問題はない!?】
答えはイエスでもありノーでもあります。
例えばお子さんや女性の方で力の強い犬を散歩している。
このような状況で犬が何かに興味を持ち急に引っ張った場合
リードを持つ人は思わず引きずられてしまうでしょう。
実際によくあるケースでご主人だと引っ張らないのに奥様やお子さんだと引っ張る
という使い分けが起こることがあります。
話はシンプルでご主人は急な引っ張りに対して振り回されずに対処ができ、
奥様やお子さんは踏ん張りが利かないので振り回されるため犬の方が
この人達は引っ張ることができると経験し学んでしまったというだけです。
このような状況を作らないためには家族の誰であっても
同じハンドリングができる必要がありますね。
使用する道具の種類を変えればご主人以外の方でも急な引っ張りに対処できるかもしれません。
また散歩の担当を見直すことで解決できるかもしれません。
いつも同じ結果という意味ではこれも 『勝ち勝負』 に含まれると私は思います。
【接し方から考える勝ち勝負】
先ほどの散歩例からもわかるようにうまく環境を整え、
人が主導権を持てるようになればそれは『勝ち勝負』だということです。
では遊びの例からも主導権を持った接し方を考えてみましょう。
<接し方例>
①ロープを家の中で犬の届かない場所に片付ける。
②犬にせがまれた時ではなく飼い主のタイミングでロープを取り遊びに誘う。
(ロープを見た瞬間から飛びつきや吠え等がある場合は遊ばずにすぐ中断し落ちつかせてから再開する)
③遊びの最中に「放せ」を教え、出させたい時に口からおもちゃを放すよう練習する。
(放したら遊びを再開する)
④適当なタイミングで片付ける(もっと遊びたいとねだられても与えない)
例えばこの様な接し方を意識していれば「おもちゃ」と「遊びの時間」の
どちらも人が主導権を持つことができます。
『勝ち勝負』という言い方をするとどうしても力で挑むような印象になりがちですが、
その真意は人が主導権を持つということなのです。
ということで、後半は
・勝ち勝負の視点から考えること
・負け勝負にならないためのポイント
でお送りします。
代表 ジョニー
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