「帰宅すると嬉しすぎて飛び跳ねる…」
「服を破らんばかりにじゃれ噛みして喜ぶ…」
「インターホンが鳴ると我を忘れて吠えまくる…」
そんな愛犬の姿に
「可愛いけれど、毎度これだと疲れてしまう…」
「ご近所迷惑が心配」
こんな風に感じることってありませんか?
実は、犬の過剰な興奮は単なる“嬉しさの表現”だけではありません。
時には“ストレスや不安”、“間違った学習”が原因になっていることも。
今回は犬が興奮しすぎる本当の理由と、今日からお家で実践できる「3つのポイント」を分かりやすく解説します。
なぜ興奮しすぎてしまうのか?
① 運動不足・エネルギーの発散不足(退屈)よく言われることの一つですが精神的・肉体的なエネルギーが有り余っている状態です。
犬は本来、働くために品種改良されてきた歴史があります。
そんな犬たちが無職で暇を持て余しているとエネルギーが有り余り…
小さな刺激(チャイム、飼い主や周囲の動き)をきっかけに過剰な興奮を示してしまいます。
犬が興奮して飛び跳ねた時、「コラ!ダメでしょ!」と大声を出したり、手で押し戻したりしていませんか?
犬にとっては「興奮したら、飼い主が喜んで触ってくれた!」と勘違いしているケースが非常に多いです。
犬の興奮に対して、人も興奮した態度で接するのは、ほとんどの場合は問題を悪化させてしまいます。
特にインターホンへの興奮に多いです。
「怖いもの(見知らぬ人)を追い払いたい」という必死の防衛から、興奮のスイッチが入ってしまいます。
また、吠えている間に対象がいなくなってしまう(立ち去る)ことも防衛行動を増長してしまうことにつながります。
散歩中に他犬や他人に対して興奮して吠える場合もこれが原因のことも。
「ただの喜び」ではない?興奮しすぎる危険性
健康・安全面のリスク
フローリングなどの滑りやすい場所で過剰に興奮して動くことで、骨折や脱臼(パテラなど)のリスクが高くなります。
また、夏場だと短時間の興奮でも「熱中症」を引き起こす危険もあります。
過剰に興奮し周囲を冷静に見ていないことで物にぶつかるなど怪我のリスクも高まります。
行動上のリスク(エスカレーション)
興奮が頂点(キャパシティオーバー)に達すると、脳のブレーキが効かなくなります。
その結果、突然「ガブッ」と誰彼構わず咬んでしまう「転嫁行動(八つ当たり)」に繋がったり、
予想外の行動で飼い主や犬、周囲の人が怪我をすることもあります。
このような状態ではまともに学習することはできずいくら止めても何度も同じ行動を
繰り返してしまい常習化してしまいます。
興奮を落ち着かせる3つのポイント
ポイント①:まずは飼い主が“石像”になる(無反応の徹底)犬が興奮して飛びついてきたら、『視線を合わせない、声をかけない、触らない』ことを意識しましょう。
まるで“石像”にでもなったつもりで犬が落ち着くまで完全に無視することが重要です。
多くの飼い主さんは数秒で無視を諦めてしまいリアクションしてしまいます。
実はこの“数秒の間”を開けたリアクションによって「しつこく飛びつけばリアクションしてくれる!」とさらに良くない学習につながります。
犬が「ぜんぜん響かないな…つまんない」と諦めて、四足を地面につけ、落ち着きを見せるまで徹底することが大切です。
どうしても興奮が静まらないときは
『飼い主さんが静かにその場を離れる』
『犬をクレートやサークルへ静かに誘導しタイムアウトを取る』
ことも一つのテクニックです。
一旦、犬から離れる、または、犬が落ち着ける場所へ連れて行きクールダウンさせる、
ことで落ち着くことを学ばせていきます。
状況によっては無視をしても落ち着かせられない(落ち着くまでの時間を取れない)
こともあるかもしれません。
そういう時は直接的にかかわるよりも予めクレートやサークルに犬を入れておき
過剰に興奮する状況を作らないようにしましょう。
妥協案も取り入れながら現実的に繰り返し取り組める方法でトレーニングを行いましょう。
中々落ち着けなくても怒る必要はありません。(イライラしたら深呼吸しましょう)
「興奮したら、大好きな飼い主がいなくなる(楽しい時間が終わる)」という事実を淡々と学習させることが大切です。
犬が「ふぅ」とため息をついたり、座ったりして少しでも静かになった瞬間を見逃さず、「オスワリ」や「フセ」を指示します。
指示に従えたら、静かに、落ち着いた口調で褒めます。オヤツを与えることで指示に反応する練習にもなります。
繰り返し練習することで、冷静さを取り戻すことが少しずつ上達していきます。
ここで飼い主がハイテンションで褒めると再び興奮するので注意しましょう。
指示を出さなくても、自然とオスワリをしたりフセをしたら静かに褒めてあげましょう。
日常生活でできる!興奮しにくい犬にするための予防法
1.体だけでなく「頭」を使わせる発散(知育・クン活)
有酸素運動(走らせるなど)は犬の心肺機能を高め、全身の筋肉を鍛える良い発散となります。
ですが、ただ走るだけでなく、散歩中に草の匂いをしっかり嗅がせること(クン活)なども実は重要です。
散歩の時間は「飼い主と一緒に歩く時間」「飼い主と遊ぶ時間」「匂いをかいで調べる時間」
のように区別しておくことがポイントです。
雨の日などはおやつを隠して探させる「ノーズワーク」なども、
嗅覚を使うことで犬の脳を程よく疲労させ、リラックス効果を高めます。
2.ハウス(クレート)を「リラックスできる場所」にする
日常的に“安心して休める場所”を犬のために用意し慣らしておくことは様々な場面でメリットがあります。
自宅でのリラックスゾーンとしてのみでなく、移動時やお預けなど活用の場は幅広くあります。
ハウスで休むことを習慣としている犬はハウスに入ると自然と休むスイッチが入るようになります。
興奮した時でもハウスに入れば落ち着けるようになり、管理することが容易になります。
3.家族全員で「ルールを統一」する
お父さんは無視するのに、お母さんは「寂しかったね〜?」と抱きしめてしまう。
このように人によって態度が違うと、犬は何が正解か学ぶことができません。
最も関わりのある家族からまずはルールを徹底するようにしましょう。
周囲の方にも協力してくれる方がいれば他人との挨拶の仕方も教えていきましょう。
まとめ
犬の興奮を鎮めるには、まず飼い主さんが落ち着いた態度で冷静に振る舞うことが大切です。
その上で、犬に望ましい行動を理解させるようにトレーニングを行っていきましょう。
犬のトレーニングとはすぐに明日から完璧に行動が変わるというものではありません。
でも、一貫した態度を続ければ、愛犬は必ず応えてくれます。
飼い主の望む大きな変化にするためには、『小さな変化』に飼い主が気付くことから始まります。
『小さな変化』を見落とさずにたくさん褒めてあげましょうね!
ドッグトレーニングFeelFun
黒木 敬史