フィールファンにご来店いただき、誠にありがとうございます。
2013 年 6 月に箕面市西宿でフィールファンをオープンし早くも 10 年以上の月日が経ちました。私が独立し活動を始めた頃は、このような業態のサービスは少なく未成熟なものでした。
当時は犬のトレーニングと言いますと、特殊な作業を行うことを主とした訓練(警察犬や訓練競技会向けのもの)が多く、家庭で暮らしていくためのしつけや問題行動の改善中心のトレーニングは、世間的にはあまり一般的ではありませんでした。


もちろん、それを謳ってサービスを行っているケースもあるのですが、いざふたを開けてみますと、飼い主様の期待とは異なるものも多く “日常生活上における問題の予防や改善” を中心としてトレーニングを行っている施設や個人は少なかったのです。
ですので、フィールファンの考え方や取り組みをご理解いただくことは容易ではなく、飼い主様にその意味の違いや目的の違いをお伝えすることに苦心したことを今でも覚えています。
一般的な犬のしつけ訓練サービスを行っている施設とフィールファンの違いを簡単にお伝えしますと、プロアスリートを目指すためにハードなランニングすることと、健康増進や予防・改善のために軽く汗を流すジョギングをすることのような違いと言えます。
一見するとどちらも似たような運動です。しかし、それぞれ目的が違いますので、準備するものから目標・ゴールの設定など求めるものが大きく異なります。
私はパフォーマンスの高い時期にガンガン活躍するようなプロアスリート輩出を目指したいのではありません。
『飼い主様と愛犬の心身の健全をもとに、日常生活をより豊かに楽しく過ごせるご家庭を増やしたい!』という想いからフィールファンを立ち上げたのです。
フィールファンのサービスは、すべて元をたどるとその理念に至るものなのです。

昨今は“犬の幼稚園”と呼ばれる業態がかなり増え、日中お預けし、愛犬を遊ばせ、オスワリやフセなどの行動を教えてくれるような場として利用される方もとても多いと思います。
またドッグスポーツの人気も高まり、アジリティ競技などを楽しむ方もたくさんおられます。
そのため、そういったトレーニングを中心にトレーニングを行っている施設や個人も増えました。
さまざまな形態の事業所が増えた分、どこを選べばよいかわからないとお感じになられる飼い主様も増えたように思います。
では、私たちフィールファンはといいますと、訓練所でもなければ犬の幼稚園ともちょっと違うというのが実は本当のスタンスです。
私はフィールファンを訓練所のように特殊作業を教えることをメインにした施設にしたかったわけではありません。
そして、幼稚園のようなお預かり施設を作りたかったわけでもありません。
それらとはまた異なる『幼少期からのしつけと問題行動を改善する専門施設』を作りたかったのです。
もう少し視野を広げて言いますと、『愛犬との暮らしにおける問題解決のプロ』である仕事をしたかったのです。
問題解決と言いますと、実はとても幅が広いものとなります。
幼少期に困ること、大人になってから困ること、老齢になってから困ること、愛犬との旅行やイベントごと、ホテルやトリミング、住環境、食事管理…このように日常の中で飼い主様がもつ悩みは数多くあります。
もちろん専門分野外のことに関しましては、私たちの立場ではできないこともあります(治療や薬の処方など)。
しかし、そこに至るまでの予防や改善、事前のアドバイスなどはいくらでもできることがあります。
そういった生活の中で抱えるお悩みを、フィールファンは後ろから寄り添って支えることができる存在でありたいと思っています。

ですので、預けるための場所としてのみ利用したいという飼い主様や、警察犬のようにバシッとカッコよく見える訓練がしたい飼い主様にとっては、フィールファンが最適な場所ではないとも言えます。
フィールファンでは、社会化トレーニングによる問題行動の予防、各家庭に合わせた問題行動の改善、飼い主様と愛犬にとってわかりやすく再現しやすいしつけ指導、飼い主様と愛犬との信頼関係の構築に全力を尽くしています。
そして、飼い主様と愛犬に真正面から向き合う真剣な姿勢をフィールファンのモットーとし、『愛犬との暮らしにおける問題解決のプロ』としてこれからも飼い主様を支え続けていく所存です。